2. 学校
学校はバス停から続くこの村の中心道路に沿った南側で、少し南に入った所にあった。校庭の真っ黒い土は周囲の雑草に侵入されて狭い感じだったけれど、周りは広い草原(くさはら)で校庭の境界がどこまでなのか分からなかった。校庭に南は遠くの山のふもとまで畑が続いていた。
校舎は土壁で出来ていて、教室は2つ、そのうちの1つは床がなく黒土がでこぼこを作っていた。部屋の真ん中に黒いストーブが1つ。窓が小さいせいか、中は薄暗かった。もう1つの教室は最近建て増ししたようで、床の木はまだ新しく部屋は明るかった、しかし広さはローカを少し広くしたくらいのものだった。明るいほうが1、2、3年生用で、2年生は私を含めて4人だそうで、部屋の真中あたりに机が4つ向き合うように並べてあった。「4人いる2年生が一番大勢いる学年です」と案内してくれた人が言った。
この時小さい教室に大きな犬が音もなく入ってきていた。